ロートレックの絵画は
独特のタッチゆえに
誰にも真似できないような
見れば一発で彼の作品と分かる
不思議な魅力があります。
ジャンヌはロートレックの
お気に入りのモデルで
ロートレックは、彼女をテーマに
多数の作品を描いています。
ジャンヌは伯爵と高級娼婦との間に
生まれましたが
ダンサーとして名声を獲るまでは
過酷な人生を歩んでいます。
不在がちな父親
アル中の母親
という環境下にあったジャンヌが、
普通に育てられるわけもなく
母親に暴力を振るわれる毎日に
耐えきれなくなりジャンヌは
家を飛び出します。
その後、警察に補導されてしまいますが
その時の態度が普通ではなかったため
病院に送られる事になってしまいました。
しかし、これが転機となり
病院で精神治療を受けて
ジャンヌは平静を取り戻します。
また、病院でダンスを披露し
多くの人を魅了したそうです。
この時に、ダンスの魅力に
取りつかれたのか
昼間は、どんな仕事もこなし
夜は積極的に地元のクラブで
踊るようになり
次第に人気が高まった結果、
ついにはプロダンサーとして
デビューすることになりました。
その後、ムーラン・ルージュなどの
有名なショーにも出演。
この頃にロートレックが宣伝のための
ジャンヌのポスターを描き
彼女の名声が、さらに高まる事になります。
一方のロートレックも
36歳の若さで亡くなるまで
波乱の人生を歩んでいますが
決定的なのは成長期に
両足の骨折をした事が原因で
足の発育が止まってしまった事。
しかし、胴体の成長は
止まらなかったため
見た目が物凄い胴長短足で
152cmの低身長だったので
差別を受け自分の体形に
コンプレックスを
持つようになりました。
そのため娼婦や踊り子のような
夜の世界の女に共感しはじめ
ムーラン・ルージュなどの
ダンスホールや酒場などに
入り浸るようになり
ジャンヌと面識を持ち
彼女をテーマにした
作品を次々に描きました。
偶然なのか運命なのか
ムーラン・ルージュを通じ
知り合った事で生まれた
1892年の作
「踊るジャンヌ・アヴリル」
絵の背景にあるストーリーは
そこいらの絵画とは
比べものにならないくらい
非常に重みを感じます。
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