ベンツのヴィクトリア

1893年にカール・ベンツが
初めて4輪を採用した自動車の

ヴィクトリアという
モデルになります。

初代のベンツの車は、
カール・ベンツが納得のいく

ステアリングシステムを
構築できなかったため

4輪仕様ではなくて
舵の取りやすい3輪が
採用されました。

しかし、思考錯誤の末
これまでの自動車にはなかった

キングピン ステアリングシステム
が開発された事により、

6年後の1893年、ついに4輪車が
完成する事となります。

このシステムについては
博物館の解説によると、

2つの前輪が異なる
コーナーリング半径を
とることを可能とし、

安全に曲がりやすく
するためのものと
あります。

右折をする際は
右前輪よりも左前輪の方が
大周りをする事になりますが、

その際に、左右のタイヤが直結し
回転数が同じだと曲がりにくくなって
しまうなど都合が悪いわけです。

それを解消し、左右別々の
回転を可能にしたシステムが、

キングピン ステアリングシステムと
なります。

現在の自動車で言ったら
デフのようなものと考えて
よいのかもしれませんね。

ダイムラーの初代モデルは
4輪車だったのに対し、

ベンツの初代モデルは
3輪車だったので、

外観上はベンツの方が
遅れをとったように見えますが、
肝心なのは走行性能。

曲がりにくい4輪では
意味がありません。

キングピン ステアリングシステムが
構築される以前のベンツの自動車が

なぜ、三輪仕様
だったのかというと、

前輪が一つの方が、
左右の回転差を

気にしなくても
よかったからと
いう事になります。

▼スペック
単気筒 1726cc
3馬力 450回転
最高速度 18km/h

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